ローマ7章11節をお読みします。
罪は戒めによって機会を捕え、わたしを欺き、戒めによってわたしを殺した…
聖書およびキリスト教が教える中でも特に重要な事柄の一つに「罪」があります。聖書が教える罪は、普通の罪と幾つかの共通点があります。
第一に、罪とは法律や戒めなどに背くことです。
第二に、罪には法律などで定められた刑罰が加えられることです。仮に法律に罪や刑罰の定めがなければ、誰も罪と定められず、罰が加えられることはありません。
だからと言って、法律がなければ罰せられることもなくて良い、ということにはなりません。法律は私たちがより良い、安全な生活を過ごすために必要なものです。
また私たちは法律によって強制されなくても、自らの良心により行動を戒めています。言わば良心は心の法律です。
聖書はこれらの法律や良心に逆らう罪の恐ろしさを教えています。それは、罪は人を支配し、法律や良心に逆らわせる力があるからです。聖書はその上、「罪の支払う報酬は死である」と言っています(ローマ6章23節)。
それと同時に、聖書は罪からの救いを約束しています。イエス・キリストは「おのれの民をそのもろもろの罪から救う者」であると語られています(マタイ1章21節)。キリストを信じているクリスチャンは罪とは無縁ではありませんが、キリストが罪の力から救い出してくださると信じる人々です。
罪からの救いを求めて、ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神さま。私たちは罪の支配下にある、か弱き罪人です。聖書を読み、言い逃れのできない罪の現実を知りましたが、同じく聖書にはっきりと約束されている罪からの救いを求めます。私たちを罪の力から解放してください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1954年版)