聖書:ローマ11:17-24
しかし彼らも、不信仰を続けなければ、つがれるであろう。神には彼らを再びつぐ力がある。(ローマ11章23節)
ローマ書11章では、つぎ木のたとえ話が語られています。
つぎ木は、古代から現代に至るまで用いられ続けている園芸技術です。その目的は、優秀な花や実を増やすため、あるいは病気に強い性質を持たせるため、それぞれの目的に合った台木と穂木を接ぎ合わせることです。
聖書の神は、腕の良い園芸家にたとえられています。つぎ木そのものは、教会とそれにつながるクリスチャンを示しています。さらに注意すべきことは、つぎ木の台木は何のたとえかということです。
台木は教会の全体ではありません。また古くから教会を支えているクリスチャン、あるいは先代の教会の伝統を形作ってきた人々も台木ではありません。彼らは私たちと同じく、つぎ木された枝に当たります。もし私たちも不信仰な歩みをするなら、「不信仰のゆえに切り去られ」ると聖書は警告しています(ローマ11章20節)。
台木はイエス・キリストご自身を意味します。「あなた(穂木)が根(台木)をささえているのではなく、根があなたをささえているのである」(ローマ11章18節)と教えられています。キリストご自身はぶどうの木にたとえてこう言っています。「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。」(ヨハネ15章5節)
クリスマスの良い機会に、キリスト教の教える救いの恵みを改めて味わってまいりましょう。教会が伝えるクリスマスのメッセージは、天地万物を養う神の恵みを伝えています。神の豊かな慈愛は私たちに向けられています(ローマ11章22節)。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。今年もクリスマスのメッセージは世界中で語り告げられています。その神の慈愛のメッセージを、私たちも真摯に、また素直に受け取ることができますように。「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」(ルカ2章14節)
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)